時代に屹立する前田家、その迫真の歴史物語を紐解く


 


「国宝 瑞龍寺」

時は370年前、18年の歳月をかけて建てられた名建築寺院、瑞龍寺。山門、仏殿、法堂が一直線に並び、左右に回廊をめぐらして諸堂を対称的に配置する伽藍配置は、中国の径山万寿寺にならい見事な空間美を生み出している。瑞龍寺を愉しむには2つのコツがある。一つはその建築美を堪能すること。利常の時代は小堀遠州との交遊の深さも影響し、瑞龍寺を筆頭に妙成寺、那谷寺、氣多大社など、国宝・重要文化財建築が数多く遺されている。ちなみに小堀遠州は江戸幕府の作事奉行として桂離宮、二条城、名古屋城などの建築・造園にも才能を発揮したとされる人物である。また利常の周辺には遠州の他、金森宗和、本阿弥光悦、狩野探幽といった優れた文化人の存在があり、京都の洗練された文化が加賀藩へもたらされた。その集大成としての瑞龍寺は、派手さこそ無いが、空間美を見事に表現し尽くした名建築に他ならない。 もう一つのコツは英雄たちが覇を競い合った戦国‾江戸時代の歴史ロマンに想いを馳せること。豊臣秀吉、そして徳川幕府の治世においてナンバー2の地位を築き、独自の感性と政治力で時代と対峙し続けた前田利長、利常の熱い想いがここにある。瑞龍寺の奥へと歩を進めるたびに紐解かれていく、そんなドラマを見るような感覚にとらわれることだろう。

瑞龍寺を愉しみ尽す歩き方ガイド

①瑞龍寺建築の意味
薬医門形式の門。主に城や武家屋敷に使われる形式である。瑞龍寺の諸建築は雪国における構造とデザインの発達として、日本近世建築史上驚異的な ものである。
②建築美を堪能
正面を見ながら参道の中央をゆっくりと歩こう。山門を中心にシンメトリーに配された左右の建物が、視界から姿を消し、やがて仏殿がその全容を現して くる。映画のワンシーンを見るような美しさを体感。
③ベストビュー
まるで絵画の中に描かれたような圧倒的ビジュアル。山門を通ると本格的な禅宗伽藍になっており、北陸の平等院とも言われる風景である。

④瓦から想いを馳せる
屋根は鉛板をもって葺かれ、ここの他には、金沢城石川門にその例を見るのみ。軍事用との説もあるが、積雪の重さを考慮して瓦より軽い鉛を使ったとの説が有力。
⑤山上善右衛門建築の凄み
大工の棟梁は山上善右衛門嘉広。妙成寺、那谷寺、氣多大社も彼の作品である。堂内では天井を見るべし。複雑にして美しい梁組は驚嘆の一言。
⑥立山連峰を拝む
法堂内中央からやや右の場所から立山連峰を見ることができる。霊峰を拝むことが極めて強く意図されている。

⑦瑞龍寺に潜む真実
禅寺では本尊として釈迦如来などの仏像を安置するが、瑞龍寺では2代藩主前田利長の位牌が建物中央奥に安置されている。法堂の正面入口に一歩足を踏み入れた場所で両膝を地につけると、その全容がはじめて目に収まる。実際に膝をついて見てみよう。歴代藩主が瑞龍寺を参拝したときにも同じようにお参りされたと考えられており、前田家の存続に尽力した利長への遺徳を偲ぶものである。



「瑞龍寺を愉しむ基礎知識」

「前田利常」
徳川家としたたかに対峙した名藩主 加賀3代藩主。利家56歳の時の息子で、利長とは異母兄弟。
跡継ぎのいなかった兄・利長の養子となり、2代将軍徳川秀忠の娘・珠姫を妻に迎えた。
後1605年、利長は隠居し、 利常が前田家の家督を継いだ。利常は大坂冬・夏両陣にも従軍し、
冬の陣では真田信繁隊と激戦を繰り広げている。
内政において優れた治績を上げ、美術・工芸・芸能等の 産業や文化を積極的に
保護・奨励し、加賀文化の基礎を築いたことで知られる。

「前田利長」
信長、秀吉、家康と生きた戦国エリート 前田利長は利家の長男にして、
織田信長の娘を妻に持つ戦国エリート。
若年より織田信長・豊臣秀吉旗下の指揮官としても各地を転戦し功績をあげている。
利家の死後、前 田家の家督を次ぐやいなや、家康暗殺を企んでいるとの疑いをかけられるが、
母・まつを人質として江戸の家康に差し出すこと、
養嗣子・利常と徳川秀忠の娘を結婚させる こと、自身の隠居などを約して交戦は回避された。

「時代背景」
覇を競う戦国の余韻が残る 瑞龍寺は加賀2代藩主前田利長の菩提を弔うため、
20年の歳月をかけ建設され1663年に建立された。1646年が利長の33回忌にあたることと、1645年に4代藩主光高が急死することが重なっている。
特に光高は利長の生まれ変わりとも言われている。瑞龍寺造営は、利常の父としての悲しみ、兄に対する感謝と菩提の念の表れである。



所在地: 富山県高岡市関本町35 電話: 0766-22-0179
拝観時間: 9:00〜16:30 料金: 大人500円



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